自縄自縛な雑記

自縄自縛 - 自分でやった事によって、自分が苦しむ事。

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FHR

 息抜きに掌編を書いてみた。
 大して良い出来ではないけれども、まぁ息抜きだしね。


「さて、まずは改めて私の自己紹介から――」
 ここはとある高校のとあるクラス。今は入学後初のホームルームが行われている。教壇では担任教諭が喋っている。
 それを大人しく聞いている生徒の中に彼はいた。この場合『彼』という呼称は若干不便があるので、彼の事は今後『伊樽(仮名)』と呼称する事としよう。これが姓なのか名なのかの判断は各人に任せる。
「んでは、このクラスの雑用係――クラス委員とか級長とかクラスリーダーとか呼び名はなんでも良いが、……ふむ、ここはあえて『組長』と呼ぶ事としよう。それを決める」
(組長!?)
 担任の言葉に伊樽は心中で突っ込んだ。
 組長。組(クラス)の長(リーダー)なので間違ってはいないが、どうにも別の組長を思い浮かべそうである。
「それでは、『組長になりたい』と立候補する者はいるか? 観念して名乗りを上げろ」
(いや、観念してって……)
 担任は教室内を見回すが、誰も立候補しようとする人間はいなかった。まぁ、『組長になりたい』と思う人間が早々いるとは思えないが。
「……なんだ、今年の一年は随分シャイだな」
 シャイとかそんな問題ではない。
「ふむ、仕方ない。こうなると推薦――と言いたいがまだ互いの事を良く知らないだろうからそれは無理っぽいしな」
 考え込む担任。沈黙する教室。これを見て教室内の人間は長期戦を覚悟したが、そこに救世主が現れた。そう、立候補者が現れたのである。
 その男子生徒はそれまでの沈黙を無視するように颯爽と挙手。
「む? 立候補か?」
「はい、こんな事に時間を消費するのは不愉快なので」
「そうか、ではお前組長な」
「了解です」
 ここに組長が誕生した。
 この組長は続けて担任に質問した。
「それで、一つ質問良いでしょうか、先生」
「なんだ?」
「組長にはどの程度の権力が認められますか?」
「ふむ、……どれだけ欲しい?」
「そうですね。最低でも『組長の意見、それすなわちクラスの総意』程度は必要かと、他クラスへの影響力については今後の活動次第でしょうし」
 民主主義完全無視な発言である。しかし、ある意味組長っぽい
(他クラスへの影響力って、学校支配でもする気か?)
「なるほど。……認める
「認めるなぁ!!」
 伊樽、絶叫。机も両手で思いっきり叩く。これらは無意識の行動である。
 担任の視線、組長の視線、その他クラスメイトの視線が伊樽に集中する。
(はっ!? しまった! 持病の突っ込み体質がぁ!!)
 そんな伊樽に向かって組長が口を開いた。
「君が副長だ」
 突然の指名。当然反応できない伊樽。
 真っ先に反応したのは担任であった。
「ふむ、では副長も決定」
「なんでだぁああ!!」
 再起動した伊樽は絶叫した。当然の疑問だった。これに組長が簡潔に答える。
「やはり、突っ込み要員は必要だ」
そんな理由かよっ!?
 指名理由を彷彿とさせる、見事な突込みだった。

 とにもかくにも彼、伊樽の副長生活が幕を開いた。


 これは学園支配を目論む組長とその配下の愛と勇気、その他諸々の物語である――

「まずは、資金力強化と他クラスの弱体化を見込んで、他クラス生徒から集金を――
「やめてください!! 組長っ!! それはカツアゲだっ!!」

 ――たぶん。
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